
あるK-POPアイドルと所属事務所との間で繰り広げられた衝撃的な法廷闘争は、裁判所がアーティスト側に味方する形で幕を閉じた。ある4人組ボーイズグループの無名のメンバー(以下「A」と略す)は、28歳という遅い年齢ながら、再デビューのチャンスを求めて精力的に活動していた。しかし2023年1月、友人の紹介で知り合った女性とのプライベートな出会いが悪夢に変わった。
2023年1月8日、友人たちと酒を飲んでいた彼は、ある女性と知り合った。結局、2人は一夜を共にした。その1週間後、所属事務所は彼に、いわゆるスキャンダルによって生じた損害の全責任を負うよう要求する借用書を手渡した。その内容は、グループのファースト・アルバムの制作費やプロモーション費、契約上の違約金、さらには、もし彼が支払えない場合は、所属事務所が彼の家族に支払いを要求できるという条項まで含まれていた。
ソウル中央地裁|Naver [ネイバー
どうしてもグループに残りたかったAはサインをした。しかしわずか2日後、事務所は彼を追い出して契約を解除し、2億ウォン(約14万5000米ドル)を求めて彼を訴えた。事務所側は、Aが同意の上で逢瀬を重ねたことは、アイドルとしての「品位を保つ義務」に明らかに違反していると主張した。
ありがたいことに、ソウル中央地裁はそれを認めなかった。裁判官は、その行為は犯罪行為ではなく、メディアの報道を通じて公になることもなかったため、契約違反の法的基準を満たさないと判断した。簡単に言えば、違法行為でなく、公共の活動に損害を与えなければ、契約解除には使えないということだ。裁判所はまた、「借用書」を韓国法上の「不公正な法律行為」であるとして、これを全面的に否定した。
裁判官は、他のアイドルよりも年上であり、過去にデビューに失敗しているというAの弱い立場を指摘し、事務所が彼の自暴自棄な気持ちを利用して、根拠のない経済的負担を押し付けたと結論づけた。結局、事務所側の損害賠償請求は棄却され、すべての訴訟費用の負担が命じられた。
**出典法話ニュース